2005年01月19日

情報システムによる災害の回避

阪神淡路大震災から早10年、震災で亡くなった方々には改めて哀悼の意を表します。
先日、TVでその日の政府・自衛隊・消防の各連携の不備を指摘する内容の放送を見て、改めて政府・官庁の災害に対する制度の不備が露呈されました。
現在では、自衛隊派遣要請の最終決定権が、都道府県知事への一極集中型から移行したので、今後はもう少し挙動が早くなるかもしれません。
が、当時もし自衛隊が、災害発生と同時に展開できたら、阪神淡路大震災での犠牲者の数は減ったことは確かでしょう。

このような災害を事前に察知し、回避できる方法はないかと、稚拙な頭ではありますが考察してみることにします。

地震は、初期微動(P波)を検知して主要動(S波)が到着するまでに数秒の猶予があります。
従って将来的には、震源地でP波を観測したと同時に、その地震の被害が及ぶ可能性のある地域全域に危険情報を即時に発令することが可能です。
たとえば、ガスコンロや給湯器具にその受信機をつけておき、一定以上のマグニチュードの地震で被害が及ぶ可能性のある場合に、自動的に火を止めるということも考えられます。
電力会社が、強力な雷が発生した場合に自動的に停電するシステムが既に存在するので、ある程度ユーザにも受け入れられるシステムだと思われます。

このようなシステムが行き渡ると、阪神淡路大震災で起こった大規模な火災もある程度防げると考えられます。
電子情報技術産業協会(JEITA)がインターネット経由で地震到達予測時間を発信する実験を行っているという記事がありましたが、この実験の延長線上には前述のシステムも実現する可能性はあるのではないでしょうか。


また、スマトラ沖地震でも、さらに甚大な被害が出たことも記憶に新しいことで、心が痛みます。
この地震では、阪神淡路大震災のような直下型地震での直接的な被害とは違い、副次的な津波での犠牲者が大多数を占めています。

津波の特徴として、地震が発生してから沿岸部に津波が到達するまでの時間を比較的必要とします。
そこで、津波到達時間を予測して、避難などの対処をとることが可能となります。
P2P地震情報というシステムが有志の手によって開発が進んでいますが、これをPC上に起動しておくことにより、被害が到達するか否かを自動的に確認できるようになるでしょう。
また、将来的には、携帯電話のGPS機能から所在地を割り出し、津波被害が及ぶ可能性のある地域にいる場合に限り、退避を促す電子メールを送信するようなシステムが構築されると、津波被害も最小限に食い止められるはずです。


これらの災害対策システムを構築・利用する場合、もっとも問題になる可能性がある懸案が2つあります。

まず一つめは、実際には被害が及ばない地域に対して、被害が発生するかのような情報を送信することや、被害が発生する可能性がある地域に対して情報を送付できない可能性です。
2つめは、情報を送付する過程のネットワーク上で、悪意のあるユーザにより間違った情報に差し替えられる可能性です。

これらの事象は、今後の課題として解決しなければならない問題であり、利便性と信頼性のトレードオフをどの点で妥結させるのかが重要なポイントになると思われます。


以上のように、情報システムを利用することにより、まだまだ災害は回避できる糊代があるということです。
戦争がない平和な現代、もっとも避けなければならない我々の脅威の一つは自然災害でありますが、これは必ず発生する不可避な事象です。
もちろん、土木・建築の分野をはじめとした各分野で、災害の被害を食い止める努力が続いていることも大いなる事実であり、継続を希望します。
重要なのは、災害時に犠牲者の数が一人でも少なくなるように、悲しむ人が一人でも少なくなるように、各分野でより有効な方向性を模索し続けることだと思います。

投稿者 kazumichi at 20:41: [diary]

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