日経サイエンス最新号(10月号)を見てから、今朝の産経新聞記事「米国産牛肉、年内にも輸入再開 BSE検査緩和 政府方針 20カ月以下は除外」を読んで、唖然としました。
また、これだけ重要なニュースなのにも関わらず、各報道機関で驚くほど取り上げられてないのにも、唖然としました。
輸入再開されたら、僕はもう牛肉を食べないだろう。
以下に、今回の決定に即して牛肉を食べてはいけなくなる4つの大きな疑念・理由を記す。
<1. 米国側の主張に対する疑念 その1>
米国が全頭検査の不必要さを訴える一つの大きな根拠に、英国での調査結果が上げられます。
これは、英国でこれまでに発見されたBSE感染牛10数万頭の内、20月齢以下の牛は1992年に発見された1頭のみであるので、低月齢の牛に対して調査を行っても検出できないという。
しかし、これには裏がある。
まず、そもそも若い牛には、BSEに観戦していても検査の対象となるプリオンの蓄積量が絶対的に少ない。
しかし、検査に引っかからないといって感染していないわけではない。
また、欧州では検出できないとされる若い牛をそもそも調査対象として加えていないので、たった1頭という結果になっている。
従って、若い牛もBSEに感染している可能性はあるし、従来は行われていない若い牛をきちんと検査すればBSE感染例も増加する可能性が高い。
よって、米国の主張は正当性に欠ける。
<2. 米国側の主張に対する疑念 その2>
日本で過去に検出されたBSE感染牛は11頭。
そのうち1頭は21月齢。
実は若い牛も十分感染している。
世界で唯一全頭検査をしている日本では、若い牛の感染例が多い。
よって、若い牛を検査する必要性は十分にある。
21月齢での感染例が報告されているのに、20月齢以下を検査不問で流通させるというのは、はっきり言っておかしい。
(米国は21月齢でのBSE感染牛の存在自体に懐疑的で、日本の調査結果を「そんな年齢でプリオンが検出されるわけが無い」と、一切信用していない。)
<3. 日本側の主張、全頭検査の正当性>
近年、研究が進み、微量のプリオンでも検出できるよう、検出精度が向上してきた。
よって、全頭検査をすれば、若い牛からのプリオン検出も十分可能となってきている。
「若い牛を調査しても無駄」という米国側の主張は、はっきり言って古い。
<4. 国内に対する疑念>
米国産の輸入牛さえ選択しなければ良いかといえばそうでもなく、全頭検査を引き続き行う国産牛に対しても注意が必要だ。
過去の、雪印食品や日本ハムやハンナン等の偽装牛肉報道を見ると、輸入牛が国産牛とラベリングされて店頭に並んでいても何ら不思議はない。
以上の論説は、日経サイエンス最新号に掲載された情報を元にしている。
より詳しく知りたい方には、詳しく論じられているので興味深い内容だと思う。
参院選終了後かつ米国大統領選挙前というこの時期に輸入再開を決定することは既に決定済みで、詰めの交渉をしていたとのこと。
全頭検査を含んだ落としどころを探していたのだろうが、日本側の官僚が完敗な感が否めない。
オリンピックだけじゃなくて、ガンバレ日本。