2004年08月04日

「冷静なる対応を & メディアとblog & アジア杯決勝進出」

1.サッカーアジアカップの中国サポーターのブーイングについて
2.blogのメディアとしての可能性
3.今日のバーレーン戦

今日は以上の3本でお送りします。

<1.サッカーアジアカップの中国サポーターのブーイングについて>

まず、今回のアジアカップの中国ファンのブーイングについて。

「ブーイングがけしからん」という考えの人が、少なからずいるみたいだけど。
あのね、みんな感情的になりすぎだよ。

AsiaCupの公式Webサイトに、ジーコ監督がその件について言及した記事が載っているので、一部にはある可能性は否定できない。
しかし、”本当に”それほどひどいブーイングがなされているの?
仮にあったとしても感情論に発展するのはクレバーじゃない。

10数年前のペレストロイカや東西ドイツ統一以降の再編により、共産主義国家がもはやほとんど無くなった現状とはいえ、それまでは共産主義は台頭していたわけで、その筆頭にいた中国が第2次世界大戦での甚大な被害から日本を敵視した教育を行っていたことなんて自明でしょ。
しかも、今回試合が行われているのは内陸の済南と重慶。
上海とか香港のような資本主義が導入されて久しい都市化された都市で、今回のようなブーイングを受けたのなら、「あれ?意外と遅れてるんだな。」と思うかもしれない。
が、地方の都市で近代的な教育が行われている訳ないでしょ。
そういう状況下で、一部の人が感情的にブーイングしたとしても不思議はない。

今回の会場が、上海や香港とはだいぶ離れている場所であることが、地図からもわかる。(中国まるごと百科事典より)

感情的なブーイングを行っている中国人は、おそらくごく一部だ。
そんな一部の人間と、歩調を合わせる必要はない。
さらに、注目を集めたいだけの画一的で揺動的な日本の遅れたメディアとも、歩調を合わせる必要はない。
冷静に、冷静に。
次は北京で開催国中国との対戦なので、今大会最大のブーイングを受けるだろうけど。
冷静に、冷静に。
川口能活選手みたいに、厳しい状況でも笑みを見せるくらいの余裕があっても良いのではないかと思うのです。

こういう政治的議論をスポーツに持ち込みたくはないな。
そう考えると、ダバディさんの博愛主義的、コスモポリタン的主張は、「国家を単位とした国際試合の廃止」という少々過激と受け取られてもおかしくない面があるとはいえ、一つの解決策であり理想郷である事は間違いない。

その理想郷に近づくためには、一人の人間が数カ国語を喋ることが必要だろう。
国家単位を廃した試合を行おうとすると、現状より多様な選手同士で共にチームを作り上げなければならない。
これは国際的に活躍する選手は皆習得しているのだが、大事なのはサポーターの言語習得だ。
建設的な応援をするためには、サポーター同士のコミュニケーションは無視できないのだ。
十数年後には、自然翻訳機が開発されると推測されるが、それまでは実現しないだろう。

国家単位での試合を廃止せずに、ナショナリズムを排する現実的な解決法として、一人一人が感情論に押し流されず、情報を整理・選択して受け止めることが重要だ。
スポーツとナショナリズムとの癒着を排斥するためには最も効果的だと思うし、今すぐにでも誰にでも出来る。

この流れから行くと、新聞社等の会社が文責を持つことが主流のメディアの現状から、ライター各自が文責を持つ状況へとシフトしていくと良い。
Web上のスポーツ関係だったら、スポーツ新聞各紙の情報を尊重するのではなく、NumberWeb等の情報を尊重するということ。
会社が責任を持った文章は、誤信の場合の責任の所在がはっきりしないため、恣意的な記事が紙面を踊る危険性がある。
しかし、個人名が記載されている記事は、ライター個人の責任となるため、ライターも容易に揺動的主張は出来ないだろう。
ま、ライター業にはゴーストライターという言葉もあるくらいだから、100%無責任な記事が無くなるとは言い難いが。

とにかく、一人一人の冷静に情報を扱う能力の進化が重要だと思うのです。





<2.blogのメディアとしての可能性>

さて、今回のブーイングの件で、blogのメディアとしての可能性に気づかされたことについて。

6月25日、ココログを運営するニフティの古河社長の元をダバディさんが訪れたときの様子を記述した古河社長のblogエントリがこちらにある。
ここを読むと、ダバディさんが古河社長に以下のように熱弁していたそうだ。


「ココログのパワーはすごいものがある。メディアの世界にも大きなインパクトを与えるのではないか。」
「必ず、ココログ革命が起き、本当のジャーナリズムが戻ってくる。」

これを最初に読んだとき、blogがメディアになり得るわけがないと思った。
なぜなら、世の多くのジャーナリズムに関連したblogエントリは、新聞社の発信する情報を一次情報元として採用し、それに関して意見を述べているからだ。
従って、一次情報が増えるわけでもなく、ジャーナリズムにはなり得ないと考えていた。

しかし、今回のAsia Cupで、ダバディさんが中国の現地からのエントリを公開した
そう、日本のメディアが報告したのとは全く違った視点から、現場の情報をエントリとして公開したのだ。
反日感情を話題にしているメディアとは対照的に、そのような現象は感じなかったとのこと。
複数のソースから情報を扱うことの重要性だけでも、これに勝るものはない。
画一的メディアに流される危険性が大いに薄れるのだ。
さらに、顔が見える信頼できる人からの情報はこの上なく大きい。
(確か上記リンクの他、もう一つ関連したエントリがあったはずなんだけど、見つからない。)

このようなエントリは、「現地に取材に行っているから可能なことで、私たちにとっては関係ないこと」だと思っている方もいるだろう。
しかし、そうでもない。
以下は、最近話題のライブドアについて、僕が今日気づいたこと。

ライブドアからWebブラウザ「Opera」がようやく正式リリースされました。 ゴタゴタはありましたが、トランスウェアからの譲渡によりライブドアに移ったとされるOperaの、譲渡後初リリース。
そこで、気になったのが、「ダウンロード」ページの「試用版」という記述。
Operaは、広告が出てサポートが受けられないデフォルトの場合無料なわけで、それは既に「正式版」であり「試用版」とは意味が違う。
これも、「これは試用版だから、いずれお金払ってね」っていう、ライブドアの戦略なんでしょうか。
ちなみに、試用という言葉の定義は、手元の広辞苑によると「ためしに用いること」。
少なくとも、適切な情報公開ではないし、一般的な認識から乖離しているので、誤解を生む可能性があります。
本家はおろか、トランスウェア時代にも、このような不適切な記述はありません。
ライブドアも、記述が不適切だという指摘を受けるであろう事は、当然既に認識した上でサイトに記述したのであろうが、会社の信頼性の面で懐疑的な面が否めない。

このような不適切な状況に対するつっこみは、おそらく誰しも日々の生活でそれぞれ気づくことであり、また誰しも発信できる立場にあるのだ。
小さな事かもしれないが、各自がそれぞれ気づいたつっこみを発信することにより、これもジャーナリズムの一つとしてのストリームとなる気がしてならない。

もっとわかりやすい例で行くと、日本著作権協会JASRACに対する疑問がこちらのエントリで議論になっている。(部長の東京日記経由)
これも、問題提起という点ではジャーナリズムのメインストリームである。

このように、Blogは、多角的に物事を捉えるために、大きな力となる可能性を秘めている。
これまでの新聞社による一方的な情報に左右されなくて良い、というよりは、それらの情報を見極める手助けをしたり、より多くの問題を提起し議論するための大きなツールとなるといった方が適切か。

blogを含むインターネットが、我々の世界をより俯瞰的に見てたり、問題を解決する方向に進んで行くためのツールとして、これからも大いに期待できる。




<3.今日のバーレーン戦>

さて、最後の話題として、今日の試合。
Asia Cup 2004 準決勝。
延長4−3で、バーレーンを苦しみつつも撃破。

まず、日本のシュート精度の限界が露呈した。
少なくとも、前半、玉田・鈴木・中村・中沢の4人がそれぞれ決定機をはずしている。
そのうち1つでも決まっていれば楽に勝てただろうし、2つ決まっていたら遠藤の退場はなかったかもしれない。
前半のチャンスを生かせなかったのは、苦戦を呼んだ最大の要因。

そもそも日本は、ディフェンディングチャンピオンであることだし、中村・川口を擁しているだけで、日本はアジアでは一つ抜けている状況なのは明確だ。
欧州で活躍している選手を擁しているチームで、国内にプロリーグが存在する国は、全く持って多くない。
本来、アジアでは敵無しのはずなのだ。
その上、今日の相手は中盤での寄せも緩いし、DFも玉際が甘い。
これほど苦戦を強いられる相手ではない。

さらに審判のレベルが低い。
前半はスタジアムの空気に完全に飲まれてる。
準決勝なのに、東南アジアにはこんな審判しかいないのか、ひどすぎる。
東アジアと中東アジアの対決なので、中立として東南アジアの審判を起用したのだろうが、準決勝レベルまで来たらそういう慣習は取っ払ったほうがいい。
技術と経験のある審判を、欧州から呼んででも起用すべきだ。
スキルがないのはしょうがないとして、不公平なのな、今日のシンガポールのアドガリ主審。
前半の遠藤へのレッドカードは、そう見えたとして100歩譲ったとしても、後半10分の玉田が倒されたシーンはアドバンテージが切れた直後にフリーキックの判定をするのが普通の審判だろう。
決勝の審判は誰だか知らないが大丈夫なんだろうな、心配だ。

さて今大会、MFやDFが殆どの点を取っているように、点が取れない課題のFW。
だが、良い面も見受けられた。
鈴木は、今日のステータスは最悪だったし決定力も欠けるとはいえ、運動量は見事。
玉田も、この試合まで再三良いプレイはしていたが結果には恵まれなかった。
ようやく結果を出したのは良かった。


今日の収穫
1.サントスのスピリットやボールの供給の精度は、欧州でも通用する。
2.中沢は、しばらく日本代表に固定。すごすぎ。DFとして初の海外組誕生か?
3.4バックと3バックがフレキシブルに変更可能だというオプションは、世界でも有数の技術がある。相手が3トップの時は4バック、2トップの時は3バックなど、相手の状況に併せて適切に対処できる。トルシエ監督時代に確立された3バックを引き継ぎ、自身の哲学でもある4バックも取り入れたジーコ監督の柔軟さに乾杯。

今日の課題
1.早い時間帯でのシュートの精度(特にFW)
2.早い時間帯でのシュートの精度(特にFW)
3.早い時間帯でのシュートの精度(特にFW)

投稿者 kazumichi at 00:50: [soccer]

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